アルパインクライミング

アルピニスト養成アカデミー 子持山・谷川岳

6月10日(土)は、谷川岳へ行く予定でしたが、天気が残念な状態だったので、天気のよさそうな子持山獅子岩へ転進しました。
子持山の登山道は、現在3号橋で通行止めになっています。そこから7号橋の登山道までの間は、道路がズタズタに寸断されており、復旧には相当の時間がかかるでしょう。登山口までの歩行時間はおよそ20分です。

獅子岩には現在2本のマルチピッチルートが引かれています。私たちは左の従来ルートを登り始めました。本日はMさんとIさんのマルチピッチリードデビュー戦です。壁をみてどちらも緊張されていましたが、登る手足は落ち着いてみえます。

2ピッチ目をリード中

最初はMさんがリード。山田とIさんがフォローします。

1ピッチ目のフォロー

2ピッチ登ったところで、前のグループが進むのを待ちます。かなりの時間、ハンギングしていましたが、なかなか進まないので、一度ラッペルして、同じピッチをリード交代して登り直すことにしました。

また登りはじめ、ビレイポイントにてレクチャーをしているうちに、雨が降り出しました。しばらく様子をみていましたが、なかなか止まず本降りになりそうなので、今回はここで終えることにしました。

いよいよ6月11日(日)は谷川岳です!

一ノ倉沢の朝は荘厳でした。

3時起き4時出発で一番乗りかなと思いきや、すでに中央稜も南稜も行列ができていました。一体みなさま何時に起きているのでしょう⁈
南稜テラスで待っている時に、別のグループの方々を観察していました。正直申し上げて「危ない」クライマーが結構見受けられました。リードもフォローもジムのトップロープのように、8の字結びをカラビナでハーネスに連結しているグループや、全く使わないであろうギアの類をたくさんぶら下げているグループ。そして、1ピッチ目のチムニーが登れずにグループに取り残されてしまった方。コールが届かずキレ気味のグループ。ハーネスがねじれたまま履いていてる方。

山岳会の皆さんなのでしょうか。それは分かりません。これらの方々を見ていると、連れられて来る人は、リーダーがしっかりした技術と知識を持っているのか分からないまま付いて来てしまっていて、尊いご自身の命をリスクに晒していることさえも気づいていないのだな、と怖くなります。

どうかクライマーの皆さん、正しい基礎技術と新しい技術に対して、常にご自身でアンテナを張り巡らせてクライミングを続けて欲しいと思います。引力に逆らって楽しむのが、クライミングというスポーツですから、危険はそこいら中に潜んでいます。一度無事に帰ってこられたからと言って、ご自身の技術・知識が間違っていないとは限りません。昨日無事に帰ってこられた方の半数は、運が良かっただけだと思います。運は最後に残しておかなければなりません。勉強と技術の研鑽が不可欠なスポーツを、私たちは楽しんでいるのです。

南稜は数珠繋ぎ…

中央カンテや凹状、中央稜も人でいっぱい。頻繁に落石が発生しています。

かなり順番待ちをした後、ようやく私たちが登れる時間になりました。本日は講師の山田が全ピッチリードすることになっています。今日のクライミングでは、ファイブテンのアプローチシューズ、キャンプ4の威力を試すことにしました。
フリクションは素晴らしいです。ただ、私の足型は甲が少し低いので、若干靴の中で足が遊んでしまいます。もう半サイズ小さくしてもよかったかもしれません。この次はアディダスのアプローチシューズを試してみようと考えています。

さて、たった3ピッチ登って、馬の背が見えたところですが、南稜上部はクライマーが富士山のように繋がっており(ちょっと言い過ぎ笑)、これは下降も考えるとカオスだなと、判断しました。断腸の思いで下降を決めました。受講生のお二人には、本当に完登してほしかったので、残念でなりません。次は海の日連休の剱岳で、アルパインクライミングを満喫しましょう。

帰りは途中までテールリッジを下り、下部は衝立スラブを下りました。日本アルパインガイド協会では毎年テールリッジ近辺のアプローチルート整備を行っていますが、衝立スラブのボルトは雪崩で根こそぎ持っていかれたようです。最後の60mのみ、ハーケンで支点を作って、懸垂下降にて雪渓に降り立ちました。

 

一ノ倉出合~テールリッジ末端までは、雪渓がまだ十分にあり、登りはアイゼンなしでも安心して登ることができました。わずか20分強でテールリッジに着きました。ただし下りは、軽アイゼンがあった方が無難に下れます。中央稜完登から北稜~衝立前沢へと降りる場合は、やはり軽アイゼンはあった方が無難です。
コップスラブにはまだ雪が残っていたので、ブロック雪崩にも注意が必要です。7月の谷川岳B班の時は、さらに早起きすることを誓うのでした!

アルピニスト養成アカデミー 湯川クラック・男山ダイレクト

アルピニスト養成アカデミー 第3回講習は、5月27日湯川、28日男山ダイレクトで実施されました。
湯川では、受講生の皆さん初めての、クラッククライミング!! テーピングをまず巻いて、それからハンドジャム・フットジャムの方法をレクチャーします。ですが百聞は一見に如かず!クラックをまずは触ってみましょう、ということでお一人ずつチャレンジ!

初心者課題で有名なデゲンナー(5.8)。グレード(難易度)は低くても、わりとクセのあるルートだと思います。男性の手だと、手の8割ぐらいしかクラックに入りませんし。フットジャミングは慣れるまでは怖いですね。「ほんとうにこれで滑らないのか?!」と思ってしまいますよね(笑) ですがフットジャミングに慣れれば、こんなに良いスタンス(足がかり)はない!と思えるようになるのです。

お昼ごはんの後は、前回の研修で消化できなかった、セルフレスキューの一つ、1/3引き上げ法を実習しました。フリクションヒッチを使うよりも、タイブロックを使う方が、一瞬で引き上げシステムを作れて楽です。
その後はビレイ中の仮固定を実習しました。

さてクラック講習に戻り、もう一度デゲンナーを登ります。みなさんかなりの奮闘模様!クラック技術は、アルパインクライミングをする際に、とても重要な物です。自分でプロテクションをセットし、岩壁の弱点をついて登る技術は、将来大きな岩壁に取り付くときに、心強い武器になります。

2日目は川上村の雄峰、男山に引かれた素晴らしいルート、「男山ダイレクト」を登りに行きました。受講生が4名なので、講師は私の他に、Mr.DOUKEガイドをお招きして、2グループに分かれて、登りだしました。
岩壁を目指していざ出発!!

朝の登山口は少し肌寒いぐらいでしたが、アプローチを始めると案の定汗が噴き出してきます。
目指すは男山の頂上岩峰群!!

3ピッチの岩壁は、1ピッチ目<2ピッチ目<3ピッチ目という具合に難しくなっていきます。脆さも同じように遷移していきますが、景色も登るごとに素晴らしさを増します。

クライマーの背中は、野辺山高原のレタス畑と、八ヶ岳・南アルプスが見守っている

脆さはあるが、日本の壁を登るならこの脆さに対応した安全な登り方を覚えることも必要

3ピッチ登った後は、200mほどの岩稜をコンティニュアスで歩きます。そして頂上にポコッと出るのです。


後続グループが岩稜を歩いている

約2時間で、取り付きから頂上にでました。頂上は360°の大パノラマ。美しい景色です。
男山ダイレクトは、ほとんどボルトと残置ハーケンで登れますが、小さなカムやナッツも有効です。ランナウトするので、これらを持っていくと安心です。下降は一般登山道を歩けます。懸垂下降する箇所はありません。

次回は三つ峠屏風岩にて、支点構築・セルフレスキュー・懸垂下降・ビレイ技術・マルチピッチシステム・トップロープによる練習と盛りだくさんのメニュー予定です!

アルピニスト養成アカデミーよりお知らせ

5月4日をもちまして、特別料金モニター受講生の募集を終了致しました。ご応募ありがとうございました!
尚、夏季コースの通常受講生の募集は現在も継続中です。

★自身の力でバリエーションルートを登れるようになりたい方、沢登りをしてみたい方、山の総合力を養いたいかたには、当アカデミーが最適です!!皆様からのお問合せを、心よりお待ちしております!

マルチピッチのシステム講習

マルチピッチでのビレイポイントの構築方法、ビレイポイントでのするべきことを練習して、皆様が安全迅速なマルチピッチクライミングを楽しめるようになるための講習を行います。

 

期日  2016年11月5日(土)

場所 三つ峠屏風岩

集合 09:00 四季楽園前

講習内容  トップロープの支点構築

マルチピッチの支点構築

ビレイポイントでのギア受け渡し

ビレイポイントでのやるべきこと

三分の一引き上げ法

カム、ナッツのセット

ハーケン打ち込み練習

定員  6名

受講料  ¥12,000/人

申込された方には、実施要項をお送りします。

明神岳南西尾根~前穂高

9月2~3日、明神岳南西尾根から前穂高に行ってきました。

南西尾根への取り付きは、岳沢登山道の7番標識から右に上がって行きます。

ものすごい急登が待っています。木登りに近いぐらいの急傾斜!!

およそ1,700mからあがり、2,400mぐらいまで一気に高度を稼ぎます。

 

いずれちょっとした岩稜が出てきます。それを超え、しばらく行くと2,500mほどでぐっと展望が開けます。

それからは本当に気分のよい尾根上を歩き、明神5峰直下の台地に到着します。

ここにはテント3~4張ぐらいを張ることができます。

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ただし水はないので、自分たちで担ぎ上げなければなりません。

西穂~奥穂の稜線もよく見え、とても爽快です。

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翌日は明神5峰のやさしい登りからスタート。

 

それから4峰、3峰、2峰、そして主峰と越えていきます。

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OLYMPUS DIGITAL CAMERA 明神4峰を振り返る

明神主脈に難しいところはありませんが、石が脆いため、落石を起こさないように、十分な注意が必要です。

そして、懸垂下降が2か所出てきます。

我々は30mロープ2本を持参したので、ダブルにして、2ピッチと、もう1回の懸垂下降でした。

 

前穂までは5時間弱です。

 

前穂の頂上は登山者で大賑わいでした。

 

下りは重太郎新道にて一気に岳沢へ。

この重太郎新道ですが、本当に事故が多い所です。ただの登山道と侮ることは危険です。滑りやすい一枚岩や、長い鎖と梯子があり、長時間に渡り緊張を強いられます。

 

今回この山行に私を加えてくださった、松原尚之ガイドに、心から感謝です!